ダイの大冒険に出てきた「聖水垂れ流し船」の問題点と改善

      2017/04/23

はじめまして。国府町怒児(こうまちぬんじ)と申します。
皆さんは「垂れ流し」と聞いて、どのようなものを思い浮かべますか?
工場排水でしょうか。BGMでしょうか。
私は、聖水です。

ということで、今日は、漫画ダイの大冒険に出てきた、「聖水垂れ流し船(せいすいたれながしせん)」の問題点と改善についてプレゼンしていきたいと思います。

 

ダイの大冒険とは

まずは、ダイの大冒険について軽く説明しておきます。
ダイの大冒険は、1989年から1996年まで週刊少年ジャンプで連載されていた少年漫画で、RPG『ドラゴンクエスト』シリーズに準拠した冒険ファンタジーです。
勇者ダイ達と魔王軍の戦いを軸に、成長や葛藤を描く人気作で、20周年を迎えた2016年には、電子コミックス版の一部が無料閲覧できたりしました。
魅力的なキャラクターが多く登場する上、物語の完成度も高く、私が大好きな作品の一つです。

ただ、そんなダイの大冒険、一箇所だけ「ん?」と気になる点があるんです。
それが…


『DRAGON QUEST ダイの大冒険』KC4巻 84-85p参照

聖水垂れ流し船です。

 

聖水垂れ流し船とは


『 DRAGON QUEST ダイの大冒険』KC4巻 91p参照

じゃあこの聖水垂れ流し船、一体何なのか。
説明しましょう。
聖水垂れ流し船とは、コミックス4巻84P~116Pに登場したロモス王国所有の船です。ダイ一行をパプニカ王国へ輸送するため、ロモス国王が貸与してくれました。
この船は豪快なことに、聖水を垂れ流しながら進むので敵に襲われないという特徴を持っています。
船長が得意げに説明していたので間違いありません。

※聖水垂れ流し船という名前は私が便宜上そう呼んでいるだけで、本編に船の名前は出て来ません。

 

聖水垂れ流し船に触ると…


『 DRAGON QUEST ダイの大冒険』KC4巻 90p参照

聖水垂れ流し船に敵が触るとどうなるのか。
マーマンによるチュートリアルを見てみましょう。
①敵モンスターであるマーマンが聖水垂れ流し船に近づき、船のヘリからよじ登ろうとします。
②すると、聖水の効果で手をついた部分が火傷をしたようになります。
③驚いたマーマンは「グワワッ!?」と声を上げ、退散していきました。

「グワワッ!?」て。という突っ込みはさておき、聖水垂れ流し船の効果が分かったかと思います。
この聖水垂れ流し船について、私の気になっている問題点を2点挙げてみます。

 

聖水垂れ流し船の問題点

①大量の聖水を船に積むため、重量がとんでもないことになるのではないか。
②常に聖水を垂れ流しながら進むため、費用が高額になるのではないか。

こちらについて、コミックスに出ている情報を基に調べてみましょう。

 

どれだけ垂れ流しているか

まず、①の聖水の重さについてです。
聖水の重さが水の重さと一致すると考えると、
1時間に流れる聖水の量(m3/h)×航海時間(h)
=垂れ流した聖水の量(m3)=垂れ流した聖水の量(t)
となります。
なので、流れている聖水の体積からアプローチすることにします。

 

1時間に流れる聖水の量


『 DRAGON QUEST ダイの大冒険』KC4巻 85p参照

1時間に流れる聖水の体積は、コミックス4巻85Pの絵から考えましょう。
上の1コマに流れている水量を、1秒に流れる水として、1秒間あたりに流れる聖水の量は
①壷の口から出ている水の面積
=約0.1m×約0.1m=約0.01m2
②船体の高さ=約3m
よって体積は、①×②で約0.03m3
つまり、約0.03m3/secとなります。
これを1時間辺りに流れる量に直すと、約108m3/hです。
重さで言うと、約108tですか。結構いきますね。

 

航海時間①


『 DRAGON QUEST ダイの大冒険』KC4巻 93p参照

次に、航海時間を割り出しましょう。
時間を求めるためには、速さと距離の情報が必要です。
速さから調べましょう。この船は帆船です。
19世紀初頭の帆船の平均速度は、約3.5ノットだったらしいです。
それを基準に、聖水垂れ流し船は5ノットの平均速度としてみましょう。
1ノット=1.852km/hなので、約6.482km/hの速さで聖水を垂れ流しながら進むことになります。

距離は、コミックスに出ていた地図から導き出したいところですが、地図に縮尺が書かれてないですね。ただ、デルムリン島の長さの10倍程度の距離であることは分かるので、デルムリン島の長さが分かれば距離も見当がつきそうです。

 

航海時間②


『 DRAGON QUEST ダイの大冒険』KC1巻 125p参照

ちょうどコミックス1巻で、アバン先生が走ってデルムリン島を一周してくれてますね。
この場面から距離を考えましょう。
アバン先生が時速20kmで1時間走って結界を張ったとして、デルムリン島の1周は20kmということにしましょう。時速20kmという数字は、フルマラソンで言うと2時間6分台の記録です。アバン先生なら超人なので、これ位の速さで走るでしょう。
1時間という数字はコミックスに具体的に書かれているわけではないですが、アバン先生が戻ってくるのをダイたちがその場で待っていたことから、2時間3時間もかかっていないだろうと判断しました。

島の形はうねっているものの正方形に近いため、直線距離の1辺は、20km÷4=5kmの長さとします。なので、デルムリン島の長さは5kmです。

そして航海距離はデルムリン島の10倍なので、50kmとなります。
これを船の速さで割ると、
50÷6.482=7.7時間
7.7時間という航海時間が分かりました。

 

航海中に垂れ流した聖水の量

ということで、航海中に流した聖水の量は結局、
108 (1時間に流れる聖水の量) × 7.7(航海時間)
=831.6m3(垂れ流した聖水の量)
となって、重さは、831.6tです。

貿易用の大型帆船の場合、積載量は300tほどあるようですが、
貨物以外で積載量の2.27倍にもなっているのは、効率悪い気がしますね。

 

掛かっている費用


『ドラゴンクエストTCG DQ02-092C 第2弾-進化の秘法編』参照

掛かっている費用はどうでしょうか。
まず、ドラクエ3以降のせいすい価格は、20Gです。
ダイの大冒険の物価は、コミックス9巻でドラゴンキラーの相場が15,000G以上と記載があることから、
ほぼゲームのドラクエと同じと見ていいでしょう。
カードゲームと攻略本のイラストから、せいすいの大きさは1本約300ml=300g=0.0003tと推定します。
片手で持って敵やフィールドに振りかけるように使う感じです。
ということは、1tあたり
20G÷0.0003t=66666.666…G/t
66,667Gかかる計算になります。
聖水垂れ流し船は片道で58.32tの聖水を要するので、単純計算で
66,667G/t×83.16t=55,440,277G
55,440,277G掛かります。
2,000Gのはがねのつるぎが27,720本買えますね。かなり高額です。

そこで私は考えました。
もっと使う聖水の量を少なくする方法はないだろうか。
もっと費用を抑える方法はないだろうか。

 

これ以上垂れ流さないために


『DRAGON QUEST  『ダイの大冒険』KC4巻 90p参照

そう思ってコミックスを何度も読んでいる内に、一つのヒントを発見しました。
マーマンです。
「グワワッ!?」と言っていた、彼です。
ここでもう一度、マーマンの例を見てみましょう。
直接聖水を振りかけていない船のヘリで火傷をしていることが分かります。
つまり、聖水の効果はある程度の範囲に影響を及ぼすのです。
この効果を応用して、聖水を節約しつつ同じ効果が得られる方法を考案しました。

 

新しい聖水船の案

それが、こちらの聖水船です。
水槽などの循環装置を応用して、船内部のポンプを聖水が回り続けるようにしました。
こうすることで様々なメリットが生まれます。

 

新しい聖水船のメリット

まず、必要な聖水の量が圧倒的に少なくなります。
船の中にだけ聖水を流せばいいからですね。
聖水は多少離れた範囲にも効果があるため、敵も相変わらず寄せ付けません。
さらに、聖水を使い捨てせずに済むことで、片道ごとに大量の聖水を買い付ける必要がなくなります。
船員にとっても、大量の聖水を毎回運び入れる手間を解消できます。
そして、海のモンスターたちにも優しい環境を提供できます。

以上の点で、聖水垂れ流し船を循環型聖水船に切り替えるメリットは大いにあると思います。
ロモス国王は、循環型聖水船を導入を検討してみてはいかがでしょう。

 

これで私のプレゼンを終わります。
ありがとうございました。

 

やった、やったよブラスじいさん。
ロモス王に言いたいこと言ってやったよ!
どうだった?


『DRAGON QUEST  『ダイの大冒険』KC4巻 76p参照

怒られちゃった。

参考資料

◆壁紙Link http://www.wallpaperlink.com/(最終確認2017/03/19)
◆『DRAGON QUEST ダイの大冒険1巻』 三条 陸 稲田浩司 1990 集英社
◆『DRAGON QUEST ダイの大冒険4巻』 三条 陸 稲田浩司 1990 集英社
◆『DRAGON QUEST ダイの大冒険9巻』 三条 陸 稲田浩司 1992 集英社
◆ 『ドラゴンクエストTCG DQ02-092C 第2弾-進化の秘法編』
◆『帆船航海史大全集 第12回 帆船終末期の輝き~
高速帆船クリッパー船の登場と帆船時代の終幕』  http://hobbycom.jp/workshop/library/hansen_kokai/12.html (最終確認2017/03/19)
◆『Wikipedia 帆船』 https://ja.wikipedia.org/wiki/帆船 (最終確認2017/03/19)

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